TRPG聖杯戦争②
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コマ太郎: あららん、髪フェチさんでしたか
髪フェチ: ですよねー
髪フェチ: まぁ、わかってた
髪フェチ: さて、それじゃあ裏軍法会議いきますか
コマ太郎: 戦術など、もう考えているんですが、よろしいですか?
髪フェチ: OK、一応RPしながらやらせてくれ
コマ太郎: 了解ですー
髪フェチ: サーヴァントも紹介しておきたいしな
コマ太郎: そういや隠したままでした
※コマ太郎さん=ゲッター卓の方
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「さて、それじゃあ改めて自己紹介といくか。内海隼人だ。気軽に隼人でいいぜ。
で、こいつが俺のサーヴァントのライダーだ」
その声と同時に黒髪の少女が具現化する。
夏なのに白いコートを着ているが、別段暑がっている様子はない。
「この聖杯戦争の主人公のライダーよ!宜しく頼むわ!」
「よろしく頼むでござる。先ほどは紹介が遅れてすまなかったでござるな。我の名はサクラ・S・ガルフォード。
忍者たるもの警戒は怠らんのでな、サーヴァントは隠させてもらっていたが、共闘となれば話は違うでござる」
サクラはおもむろに腕をふりあげる。その手はフィンガー・スナップの形をしている
パチンッ!
(忍者みたいだ…)
(忍者みたいね…)
その弾かれた音とともに、人影があなたたちの目の前に象り始める
「!?」
「マスター!?」
二人はその場から少し離れた位置に移動する。一応警戒してのためだろう。
その人影からだんだんと黒い霧が払われていくように姿を現した
「すげぇ、うちのライダーみたいに何の演出もなく現れたりしないなんて…」
「なるほど、でもあれは若干敵の演出っぽいですね。主人公足る私には向かないかなぁ」
それは男性であった。トレンチコートを着ており、顔面には面妖な覆面をしている。
「フッ、ライダーと内海といったな!私が忍者サクラのサーヴァントであり、君たちのパートナーであるアサシンだ!」
「…やっぱりアサシンなのか」
「…やっぱりアサシンでしたか」
声を揃えて呟く――。ていうかなんだこのアサシン――
濃い。ありえないくらい濃い。アサシンというポジションではもったいないくらいに濃い。
覆面もおかしい。なんだよあのガンダムみたいな角は…
マスターも規格外ならサーヴァントも規格外か…
「フハハハハハ!そうガッカリするものでもない!」
ガッカリとは違う。呆然としていたんだ。
「でもこれなら先手を取るのに問題はなさそうだな」
「もちろん私にも裏切りの意思はない、君たちは私のパートナーだからな!」
「まぁ、一応信頼はしますよ?信用はしないですけど」
ライダーは口をとんがらせる。
「戦いのなかで信用を勝ち取ればよい、闘いとはそういうものだ。」
「でもこちらとしてはありがたいよ。これで勝利の確実性が増す」
「さて、一応作戦会議だけど……」
そう、同盟までは漕ぎ着けたが問題はここからだ。
「どうやって三騎士とバーサーカーに勝つ?」
その疑問にサクラは最初から答えが決まっていたように答える
「ここは我が考えた戦術を披露するでござる」
「一応聞いてあげるわよ」
ライダーの気持ちもわからなくはない。この子はアホの子だとさっきのやりとりで嫌というほど身に染みている。
「忍者の戦いは一瞬で決まるでござる。つまり、二撃目は”存在しない”」
「お?同感だな。俺達もそれには賛成だ」
「言うなれば一撃離脱戦法でござるな」
確かに真っ向から対峙したら俺達に勝ち目はないだろう。
「三騎士相手に殴り合えって言われたら一撃で負ける自信があるわ!」
とライダーが胸を張って答える。
「や、その自信はいらない」
「フッ、ヒット&アウェイという戦法だな!」
「いや、実際ありがたいわね。これなら私が主人公になれる日も近いですね。」
「だな。だけど一つ言いたいことがある」
…そう、『ヒット&アウェイの必要なんてない』
「二撃目は存在しない」
その言葉にあたりがシンと静まる
「うちのライダーは特殊でね。呼べるものがかなりやばい。」
「えへんぷい」
「一言で言えば魔力耐性持ちでも一撃で消し飛ばせるような隠し技がある。
とりあえずまずは移動しよう。できれば霊地の周りを廻るように動きたい」
「場所はお任せしますよー」
「承知した。サクラ、あとは任せる」
ファア・・・とアサシンはサクラの地面に落ちた影に消え去っていった
「ライダー、霊体になって周囲の警戒を」
「はーい。それじゃあ楽しみにしてるわ。主人公力を発揮してみせるわよー」
と言いながらライダーは姿を消した
「学校でござるな。逃走時と霊地のことを考えると、ここしかないでござる」
「うん、そうだな。いざとなれば中央霊地に逃げればいい」
「流石忍者だな。こんな戦略を練れるなんて」
「ガルフォード流木の葉風林火山忍術を甘くみてもらっては困るでござるな」
「うん、混ざりすぎだな。うん。とにかくいくか。力を合わせればバーサーカーだろうが怖くないぜ」
かくして、卑怯な一撃必殺作戦が敢行されることとなった。
だが、この作戦そのものに意味がなかったことに、彼らは後に気づくこととなる。
―聖杯戦争4ターン目―
昼であれば、そこは学生の声が絶えない日常を代表する場所だった。
しかし、シンと静まり返る校庭――
人の気配が全くない学び舎――
日常を代表する場所は、非日常を色濃く纏った異世界へと姿を変えていた――
「さて、なんかやばい気配だぞ?」
「はわわ、内海さんっ、誰かいます!」
「わかってるから落ち着け」
「サクラ、一応サーヴァントにいつでも命令出せるようにしておいてくれよ」
「は、はいっ!りょ、りょ了解ですっ!」
(こう見てるとただの女の子なんだけどなぁ…)
(忍法「はわわ軍師」・・・我ながら恐ろしい忍法でござるな・・・)
そんなことに思考を割いていると自分の視界の中に見覚えのない女性がいることに気づく
歳は――自分と同じくらいだろうか?
女性は何かと話しているようだ。
「……ねぇ。あの二人、なんかめちゃめちゃこっち警戒してる気がするのは気のせい?」
緊張感がないのだろうか?油断させているのだろうか?
とりあえず声をかけてコミュニケーションを取ってみることにする。
高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応できるようにしておけば問題ないだろう。
「アンタ、誰だ?」
「え、私!?私は葛西って言うんだけど……貴方達は?」
「…内海隼人だ。」
「サッ、さっ、サクラと申します!」
そう言いながらサクラは必死にペコペコしている。これも忍術と言い張る気だろうか…?
「一般人のふりならやめておけよ?聖杯戦争で一般人が混じっていた場合は消すのがルールだからな。」
と、軽く脅しながら言い放つ。いや、メタ的に言って全員関係者なのは分かりきっているんだが。
「一般人のフリって事は……もしかして?」
「もしかしてもなにもないだろ?ここには結界が張られてる。聖杯戦争の関係者以外は入れない」
※勝手に設定を生やしています
「え、そうなの!?」
と斜め後ろを振り返る葛西。霊体化した英霊に聞いているのだろうか…?
サクラはオドオドしながら俺の後ろに隠れている。だがそれよりも気になることがある――
目の前の葛西の他にもう一人、誰か隠れている。
なるべく使用するように心がけていたルーン魔法がなければ気付かなかっただろう。
とりあえず気取られないようにライダーに念話を飛ばして気配の元を探させておく。
「あともう一人、いる気がするんだけどな…」
(あちらさんが組む組まないにかかわらず戦闘に入れば無事ではいられないな……一旦引こうか)
「残念ですが、それは許しませんよ♪」
ライダーから念話が届く。どうやらマスターを発見したようだ。
「今は戦う気はないってば……見逃してよ」
(だ、そうですがいかがしますか?マスター)
しばし、思考を巡らせる。わざわざ隠れていたということは目の前のマスターと協力関係ではないのだろうか?まぁ、わざわざ見逃してほしいと言ってきていることだし"そもそも二人のサーヴァントを同時に相手に出来るスペックはこちらにない"ので一度見逃しておくことにする。
※ゲーム的な扱いでこのマスターは『逃走』を選択したあとです
(むー、りょーかーい)
ライダーよ、何故不服そうなのだ。お前今回最弱のサーヴァントの自覚があるのか?
「はぁ、わかりました。戦闘の意志がないのであれば見逃しましょう」
「・・・感謝する」
GM:倉戸は誰からも終われず、無事離脱することが出来た
「倉戸 佐備」がログアウトしました。
「で、そこの葛西とかいったっけ?アンタはどうする?」
「あっ、はい」
と言いながら葛西は振り返る。後ろを向いてる隙にブスリとやられるとか考えないのだろうか?それともその攻撃に対応できるほどのサーヴァントの持ち主なのだろうか?
「まぁ、俺としては戦うかどうかも話を聞いてからにしたいんだけど、サクラはそれでいいかな?」
「うむ、それでいいでござるな」
「というわけだ。アンタのこの戦いの目的はなんだ?」
ここで出てくる願いがくだらないものだったらさっさと倒してしまおう。
しかし、ここで出てきたのは驚くべき願いだった。
「目的……目的は、弟を助けたいだけ」
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<同時刻Skype>
コマ太郎: ゲェーッ!
髪フェチ: どうしよう、やりにくくなった
コマ太郎: 予想外・・・
髪フェチ: いや、マジでどうしよう
髪フェチ: 見逃すかー?
コマ太郎: 口約束だけ取り付けてもいいのでは?
髪フェチ: でもサクラとしてはどうなん?
髪フェチ: 多分隼人は見逃しちゃうと思うのよね
コマ太郎: サクラは忍者帝国建国のためなら犠牲などどうということはない
髪フェチ: 生き返らせたいのが妹だから
コマ太郎: ただしパートナーがそういうのならそれに従う
コマ太郎: 渋々だけどね
髪フェチ: うーん、参ったね
コマ太郎: こっちの願いを話せば義理同盟ぐらいは結べるのでは
髪フェチ: とりあえず言ってみようか
コマ太郎: この状況で忍者帝国とか言えねえwww
髪フェチ: いえよwwww
髪フェチ: 予想以上のシリアスwwwwwwwwww
コマ太郎: シリアスすぎるんだよwwwww
髪フェチ: ここでこそーって言っちゃえよwwww
髪フェチ: 一応ルールなんだからwww
※↑の会話が同時進行しています。それを踏まえてご覧ください。
「…どういうことだ?」
「どんな医学でも魔術でも、生きてるかも死んでるかも分からかった弟を助けて……できれば幸せになって貰いたい。それだけよ」
(…どうする……助けてやりたいけど……でも、どうせ6人負けるんだぞ……?全員願いを叶えるために動いてるんだぞ……どうする……?)
「ふー。」
と深呼吸してから
「わかった。そっちだけ願いを言うのもフェアじゃないし、俺の願いも聞いてもらおう」
だが、その願いはいま俺の中に迷いを生んでいた。
「俺は、妹を生き返らせたい」
果たして俺の願いは正しいのだろうか?
「えっ……」
「助けたい相手がいるのはアンタだけじゃない」
「そう、よね」
「まぁ、変な願いを叶えようとしてるのもいるけどな。なぁ、サクラ?」
※忍者帝国の願いを言うタイミングを調整する露骨な行動
「似たもの同士でござるなー。
ならばよぉく聞くがよい、我の願いは忍者帝国の建国でござる」
一瞬だが、世界が沈黙した。シリアスさん、頼むから逃げ出さないで。
「と、こんなのもいる」
葛西はその願いを聞き、ちょっと気の抜けた声で
「な、なるほど……」
「忍者帝国は素晴らしいでござるぞ、まずは身分がすべて忍者で統一されてだな・・・」
クドクドクドクド・・・
「さて、と。じゃあ勝ったほうが負けたほうの願いも叶えるってことで」
一拍置き、言い放つ。
色々考えていたが、正直サクラをみてたらどうでもよくなってきた。
「年号も平成などというふざけた名前ではなく、刃心元年としようと思っていて・・・」
クドクドクドクド・・・
「はじめるか?」
(戦わないといけないってのは覚悟してたけど……最初っから2対1はきついなぁ……)
葛西が何を考えているのかわからないが、こちらも流石に逃がすわけにはいかないのだ。
倒さなくてはセッションが終わらないし
「OK、サクラ。始まるから気を引き締めておけよ」
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結果、葛西は令呪を使い撤退。
結局ここまでマスターは誰一人脱落することなく、聖杯戦争は続くことになる…
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髪フェチ:ひでぇ運だったなwwww
コマ太郎: セイバーとぶち当たったうえに逃してしまうとははは
※葛西のサーヴァントはセイバーでした(笑)
髪フェチ:いやー、戦いたくはない
コマ太郎:聖杯戦争は一筋縄ではいかんかった
知らないうちに綱渡りしていた二人であった
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