髪々の宴

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TRPGのことについて色々書いたりなんかします

【クトゥルフ神話TRPG】人喰らいの島【シナリオ】

■あなたたちはテレビ番組の『島を開拓し、村を作り上げ地図に載せる』という企画のために島を訪れているテレビ番組の出演者になります。
参加者は事前にクトゥルフ神話TRPGの"クトゥルフ神話TRPGを楽しむためのヒント"を一度熟読されることをオススメします。

■レギュレーション■
PC人数:4~5人想定
推奨職業:タレント、農林業従事者、作家、芸術家、ジャーナリスト、エンジニア
(全員一応T●KIOみたいなアイドルです)
推奨技能:機械修理、重機操作、化学、目星、生物学
必要サプリ:クトゥルフ2010
武器データはクトゥルフ2010を採用
時間:3時間程度


NPC
プロデューサー
能力値はKPが決定。特に決めなくてもよい。

AD
能力値はKPが決定。特に決めなくてもよい。

1.シナリオの導入

シナリオの季節は夏。場所は人がいない無人島である。
あなたたちは番組の撮影のために船に揺られ無人島に訪れた。
なお、船は探索者の誰かが運転してきた形にするとT○KIOっぽさが増すだろう。

KPはとりあえず無人島に探索者を上陸させること。
上陸時刻は午前10時とする。

2.島の探索

■島の概要■
島は大小二つの島からなる無人
二つの島は土砂が溜まってできた洲で繋がり、面積は0.45平方km
東京ドームにして10個分。畳に換算すると32万4720畳ほどの広さがある。
大きな島には山があり、標高は172m。
この島はかつて人が住んでいたが、昭和40年代に無人島になり、それ以降40年手付かずのままであった。
地図が必要ならば、DASH島で検索するといいだろう。

■上陸■
上陸した場所は小さい島と大きい島の間にある洲の小さい島側だ。
ここ砂浜になっており、様々な漂流物が流れ着いている。
《目星》or《天文学
・いまは潮が引いているため上陸することができるが、夜になれば潮の流れの関係で島の外へ出たり、逆に上陸することは難しくなるだろう。

■タイムスケジュール■
このシナリオは島にいられる時間が限られる。
島にいることができる時間は10時から17時までの間で、
探索などで時間がオーバーしそうな場合、プロデューサー(KP)に止められる。
KPはこのとき、クマなどの野生動物が出る危険があり、タレントにそんな危険なことはさせられない等の理由付けを考えておくと楽になるだろう。
なお、この島に来れるのは基本的に週一である。

■探索■
砂浜を探索する場合は1時間経過する。
小さい島を探索する場合は2時間経過する。
大きい島を探索する場合は6時間経過する。大きい島を探索した場合、1時間ごとに全員が《幸運》を振る。全員が《幸運》の判定に失敗した場合、クマに襲われる。
探索は行うたびにKP側で『探索度』を加算していき、『探索度』が一定になるたびに新しい発見のイベントが行われる。
『探索度』は探索の際に《幸運》もしくは任意の《探索系技能》で判定を行い、成功した人数分のポイントが加算される。
KPはどれだけ探索できているか、地図がどれだけ埋まっているかなどをNPCから話させることで探索者に教えたほうがスムーズに探索が進むだろう。

  • 砂浜

    ここで探索を行うと漂流物などを発見することができる。
    KPは適当にPLの要望に応え判定をさせるとよいだろう。
    発見できるものは以下の中からダイスを振って決めるなり、KPの気分で決めるのがよい。
    もちろん漂流物を増やすのはKPの自由だが、以下の品物は必ず発見させること。

    様々な貝殻
    ダイナマイト
    木材
    砂利
    丸太
    謎の瓶etc……

  • 大きい島
    こちらの島には井戸といくつかの廃屋がある。こちらの廃屋は人が住める状態ではない。

    探索度1
    井戸を見つけることができた。そのまま処理せず飲んだ場合、CON10に対しての抵抗判定を行うこと。
    失敗した場合は、腹痛が発生しその日に行う全ての判定に-15%のペナルティを受ける。
    井戸の水をそのまま飲むのは危険である。

    探索度3
    廃屋を発見した。なにか役に立つものがあるかもしれない。
    《目星》
    廃屋で目星を行うと、動物の糞を発見できる。この動物の糞を《生物学》で鑑定するか、糞を発見した次の週にADから情報をもらうことで『クマ』の糞だということがわかる。このことから島に『クマ』がいることがわかる。クマはクトゥルフ神話TRPG236Pの黒クマのデータを使用する。
    なお、この情報がわかった場合はなにか音を鳴らしながら探索を行うことでクマに襲われるのを回避することができる(幸運を振らずに探索を行える)
    なお、この廃屋にはトロッコのレールがある。DASH島成分を補給したい人にプレゼントしてあげよう!

    探索度6
    廃屋を発見した。なにか役に立つものがあるかもしれない。
    《目星》
    崩れた木材の下から金庫を発見した。鍵は空いているようだが、金庫の作りのおかげで中には影響がほとんどなかったようだ。
    中には何冊もの日記が入っている。
    日記はどうやらここに住んでいたものが書いていたもののようだ。
    KPは日記の内容を次の内容がわかるものという範囲内で自由に作成してよい。
    【知り合いが生贄にされた。最近生贄の量が増えている。このままではこの島から人がいなくなってしまう。せめて入口さえ塞げばどうにかなるかもしれないが、他の島民がそれを許さないだろう。】
    この日記を読んだ直後、島のどこかからこの世のものでないような冒涜的な叫びが木霊する。この叫びを聞いた探索者は0/1D3正気度ポイントを失う。

    探索度9
    神社を見つける。鳥居と本殿だけの簡素な作りで境内は草が生え自然と一体になっているような神秘性さえ感じるだろう。
    本殿は山肌と一体になるように作られている。
    中に入ると、6畳ほどの広さの板の間に、奥には岩壁が露出している。
    そこから洞窟が続いている。
    洞窟の奥は光ひとつなく、吸い込まれるような深淵が広がっている。
    ※スタッフがいなくなったイベントが起きている場合は《目星》を行うことで、ここでスタッフの遺留品を発見することができる。
    遺留品を発見したことでスタッフが死んでいるという事実に直面した探索者はは0/1D3正気度ポイントを失う。
    他に本殿にはこの洞窟に関する書物が残されている。

    書物の内容は
    【この洞窟はこの世とあの世を繋ぐ場所である。】
    【ここには魔物が住んでいる。魔物はこの洞窟から現れ、島の民に豊穣をもたらす代わりに贄を要求する。】
    【魔物は決して傷つけてはいけない。もし傷つければ怒り狂いあたりにいる人間をすべて贄として喰らい尽くすだろう。】

    探索度12
    大きな倉庫を発見する。
    中には生コン8トンが未使用の状態で保存されている。
    他にダイナマイトが4ダースほど使える状態で残されている。

  • 小さい島
    小さい島を探索するとそこで島の暮らしを支えていたであろう道具の数々、様々な建造物や運搬設備の跡。どれも朽ち果て、すぐに使えるものではないが修理して使えば番組的にも盛り上がるだろうことがわかる。

    探索度3
    雨風をしのぐことができそうな小屋を発見することができる。
    中にはバケツや釜、その他農具がある。
    ここでは農具に限り装備をすることができる。
    だが、農具を取る際に全員が<幸運>に失敗するとヘビを見つける。
    ヘビが苦手な探索者は0/1正気度ポイントを失う。

    探索度4
    粘土質の土を発見した。

    探索度7
    海沿いに洞窟を発見した。中には海水が流れ込んでおり、様々な漂流物も見つかるだろう。
    漂流物の中にひとつ目を引くものを発見することができる。
    それは手帳だ。手帳には次の内容が書かれている。なおKPは内容を改竄しない範囲で自由に文章を書く権利がある。
    【ここには魔物が住む洞窟がある。あの洞窟に住む魔物には銃もなにも通用しない。
     この島の連中は狂ってる。助けてくれ。】
    この書記を読んだあと、洞窟の外からこの世のものでないような冒涜的な叫びが木霊する。この叫びを聞いた探索者は0/1D3正気度ポイントを失う。

  • 洞窟
    洞窟は●大きい島●で洞窟を発見した場合のみ探索を行うことができる。
    洞窟の中は闇が広がっており、通路は人一人が歩ける程度の広さだ。灯りがなければまともに進むことはできないだろう。
    およそ1時間ほど歩くと洞窟に変化が訪れる。いつの間にか壁は消え、床は瑠璃色に輝きはじめ、あたりは深淵が口を開けている。
    深淵にはいくつもの巣のようなものが張り巡らされ、そこには死んだ人間のものであったであろう衣服が残っている。
    この光景を見た探索者は1/1D10正気度ポイントを失う。

    深淵から声が聞こえる。声はこの世のものが出せるようなものではなく、聞いているだけで胃の中のものが迫上がるような不快感が押し寄せてくる。

    声の主はこの島で独自の進化を遂げてきたニョグタ(222P)である。
    このニョグタは耐久力を53万に変更されているものとする。
    ニョグタは探索者を生贄として見ており、探索者をすべて捕らえ地下の穴へと引きずり込むまでここから消えることはない。
    ここまで来ている場合、探索者は逃げることは叶わない。

 

3.島にいない間の処理
島にいけるのは週一である。そのほかの時間は探索者達はもちろん日常を送ることになるが、その間にトレーニングなどを行うことができる。
レーニングについてはクトゥルフ神話TRPGの75Pを参照。

その他にKPは番組のプロデューサーという立場で以下の情報を与えてもよい。
・コンクリートの作り方(粘土、石灰(貝殻で代用が可能)、砂利、にがり(海水で代用が可能)

4.トリガーイベント
このシナリオは自由に探索を行う箱庭型のシナリオだが、一定のイベントを起こすことでトリガーイベントを発生させる。
このトリガーイベントを進行させることで本シナリオは進んでいく。

◆【逢魔が時
夕暮れの時間になると、なにかの声が聞こえる。
動物の声なのかわからないが、聞いていると異様な不安感が押し寄せてくるだろう。

このイベントは夕暮れのたびに起こる。

◆島に残った場合
島に残った場合、夜を越すことになる。
火をつけている場合は特になにも起きないが、火をつけずに島を彷徨く場合は《幸運》を振ること。
失敗した場合、クマに襲われる。

◆【知り合いが生贄にされた。最近生贄の量が増えている。このままではこの島から人がいなくなってしまう。せめて入口さえ塞げばどうにかなるかもしれないが、他の島民がそれを許さないだろう】という内容の日記を読んだ。

このイベントのあと、島から帰る際にスタッフが一人足りなくなっている。
探索者達は強制的に帰還させられるが、そのあとにスタッフが行方不明のまま見つからないことを聞く。
この情報を聞いた探索者は0/1D3正気度ポイントを失う。

スタッフ消失のイベントはこれ以降、毎週発生する。
7人スタッフが消えた場合、番組のロケそのものが中止となりシナリオが終了する。

◆【ここには魔物が住む洞窟がある。あの洞窟に住む魔物には銃もなにも通用しない。
 この島の連中は狂ってる。助けてくれ。】と【知り合いが生贄にされた。最近生贄の量が増えている。このままではこの島から人がいなくなってしまう。せめて入口さえ塞げばどうにかなるかもしれないが、他の島民がそれを許さないだろう】の両方の情報を取得しており、スタッフが行方不明になっている。

KPは探索者達にあの島でロケを続けるべきかどうか聞くこと。
もちろんここで続けないという結論に至ればそこでこのシナリオは終了となる。

◆洞窟に対する処理
探索者が洞窟に入った場合、このシナリオは基本的に失敗するように作られている。
洞窟を塞げばこの事象は解決する。

洞窟をコンクリで塞ぐ、ダイナマイトで爆破する等の処理をすると声は聞こえなくなり、スタッフがいなくなる事件も起こらなくなる。
以後、探索者達はここでロケを行い番組は成功を納める。
1D10正気度ポイントを獲得する。


5.このシナリオについて

このシナリオは改変を行いやすくするためにシンプルに作られている。
KPは神話生物を変更する、イベントを増やす、必要探索度を変更する、別の解決策を用意する、舞台を変更する等してシナリオを改変することで複数回このシナリオを遊ぶことが出来るだろう。
このシナリオは改変をしたものなら自由にリプレイ化、動画化し公開してもよいものとする。その場合はこのページにURLをリンクするかしてください。